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観劇と散策となだらかに

吉祥寺に向かうときは、急行を狙って先頭車両に乗っていくのが楽しい。低層の住宅街を縫って右に左に蛇行しながら、環状八号線をオーバーハング、神田川を横目にカントを付けながら井の頭公園を過ぎ、終点に到着するまでの10分ほどが小旅行的であり、日常からの少しばかりの乖離が楽しい。

なぜ当たり外れが多くて、決して安くはない芝居をわざわざ観るのかというと、その疑問そのものが理由だからだと思う。即ち、そういう不確かな出会いにどきどきするのではなかろうか。その意味で、メジャーな劇団には安心感はあるけれど、どきどき感は乏しい。もちろん、予想を上回るものを見せてくれれば文句はないし実際にそれを期待するしそれが叶えられれば惜しみない賞賛を贈る訳だけれど。今日は今月観る予定の芝居の中で最もマイナーな劇団。どきどきしながら初めて行く劇場まで歩く。

劇団としては初見ながらある程度は想像していたものがあり、それはその通りで艶めかしく、シンプルにねじ曲がった脚本は好みでよろしゅうございました。駅までの帰り道、武蔵野の空を見ながら歩いていたら、観劇というのは、普段あまり行かない場所に出向く格好の言い訳になるんだよね、と思って納得したりした。あと、33にもなってどきどきとか書きすぎだと思う。

シンクロ少女「オフィス♥ラブ」 (吉祥寺櫂スタジオ)
作・演出:佐藤友美
出演:岸野聡子、木村桐子、畠中慶彦、佐藤友美、浜田貴也

[photo] 武蔵野日暮れ前の空

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